Wet Machines
“Republic Wellness” (TAPE)

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徳島のヤシの木群が風に吹かれて郷愁に浸る様がなんとも言えず小気味良い。それは音像を呼び起こすサウンドジャーニーであり、カミングホーム的な場末感はカーステレオにもマッチする。誰がやってるかも知らないそのバンドはJapanese cult garage pop’n’rollとでも言っておこうか。その称号を待たずして出会いは訪れた。俺達はただ純粋に”良い音楽”を聴きたいだけなんだ。

その卓越したソングライティング、メロディセンス、ポップな音楽性をsladeまで勘繰るのはやり過ぎかもしれないが、華やかで煌びやかなロックの影響は感じさせる。それでいてスタンスはあくまでもパンクっていうのが本筋。良い意味で”チャラけた80年代”にも、本気で音楽を追求していたあのミュージシャンシップ。the only onesの妖しいデカダンスが評価され、the professionalsが本気のパンクでブチ上げる気概、angelic upstartsが感激なまでの音楽性でEMIからリリースされたのなんかもひたすら燃える。ここにどうしても記しておきたかったのは、彼らが織りなす音楽的造詣の深さが彼らたらしめるにあたって、前述のバンドらに当てはまる”ポップのニュアンス”と似た側面を彼らが持ち得たからである。それぐらい楽曲は巧妙に練られ、絶妙にキャッチーな曲調はもはや愛嬌すら覚えるし、どの時代にも普遍する可能性に満ち溢れている。要所に入る電子音もいちいちキラー。シアーマグの様な壮大な展開もあり、枚挙にいとまがない音楽性。ロックとパンクの融合がポップミュージックとして昇華され、まとまっている様をありありと描く。

加えてガレージロックが持つアメリカ郊外の息吹、イーストベイパンクがking of kingsである所以培ってきた独特のメロディ、スタジアムロックの高揚感、パワーポップが持つ親しみやすさ、グラムロックのド派手なギターソロ、サザンロックの哀愁、ドリームポップの浮遊感やノスタルジー、ハードロックのクラッチなリフレイン、日本のゲーム音楽や歌謡曲が醸す感傷性、それはひたすら琴線に触れるエレメントの応酬であり、それをこの時代この空気感この土俵でやってのけてしまったこと自体が奇跡だと声高にして叫びたい衝撃連鎖。
(text crucifive ten)

(DLコード付き)

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