サウス・ロンドンを拠点に活動するプロデューサー/マルチインストゥルメンタリストNeue Grafikを中心に集まったNEUE GRAFIK ENSEMBLEが2019年作の続編をリリース。
Neue Grafik自身を取り巻く社会的状況を反映させたというこの作品は、2016年にパリで警察の拘留中に亡くなった24歳の黒人アダマ・トラオレに捧げられている。世界的にあまり知られていないこの事件はフランスで大規模な人種差別抗議運動を呼んだのは言うまでもなく、2020年ジョージ・フロイド事件により悲しくも思い起こされることとなったであろう。
しかしこの作品は社会への憎しみと軽蔑を悪循環で終わらせつもりがないことを音で表現し、慎め、またLord Apexのラップから感じれるようにポジティヴなメッセージを享受することができ、奮い立たせてくれる。
映画”LA HAINE”から実に27年。あれから私たちは何がどう変わってどう成長したのか。これからも確かめていかなければならない。

今作も今最も注目すべきかもしれないカルチャー施設Total Refreshment Centreより発信。
サックス奏者Alabaster DeplumeもTRCよりリリース後、名門International Anthemからのリリースで傑作が生まれたことは2022年最も素晴らしいトピックの一つとして入るのではないだろうか。そしてどうやら質感もとても似ており、20年代の新たなジャズの”出所”として注目していきたい。